★ワイヤーの硬さと用途★GFワイヤー・アルゲンティウムシルバーワイヤー等について


★ゴールドフィルドワイヤーとシルバーワイヤーについて、どの硬さのワイヤーを何に使ったらよいかを考えてみましょう。
        
●■▲デッドソフトワイヤーに向くデザインと用途 =======================

■細かな曲線やたくさんの曲線を作る場合はデッドソフトが良いです。
また、少し太めのワイヤーでも、曲線に柔らか味を出す事が出来ます。
そして、ハンドメイドならではのラインの微妙な揺らぎのような味のあるラインも出せますので、用途が広いワイヤーです。

デッドソフトワイヤーは加工していくうちに硬化します。(これは金属一般の特性です)
ですので、デザインにより、曲げたり加工するほど硬くなっていきますので、デザイン(型)を保つことが出来るようになります。

また太いワイヤーの場合、ハーフハードでは細工が難しいデザインの場合も(同じハーフハードでも太くなるに比例して曲げるのに力が要ります。.また思うように細かく曲がらない場合があります)、デッドソフトではより自由に曲げられます。

○特に16ga以上の太さを使いたい場合はデザインによりますが、デッドソフトの選択が増えてくる場合があります。

また、デッドソフトワイヤーで形が保てるかどうかは、作るものの大きさと、ワイヤーの太さの両方で考慮することが出来ます。

小さなものですと、太くはないデッドワイヤーでも形を保てますし、大きくなるに比例してデッドソフトワイヤーで形を保つためにはワイヤーの太さも太くなります。
ピアスの小さい飾りなどでは、デッドソフトで製作できる場合も多いです。

■30ga(0.25mm)~26ga(0.4mm)位までの太さのワイヤーは、主に石を繋げたり、メガネ留めなどに使用する事が多いワイヤーです。
また、工夫次第で編み物(クロシェ)や繊細なデザインのパーツ作りにも使用されます。

■眼鏡留では、主にデッドソフトを使用しますが、24ga(0.5mm)位の太さまでのワイヤーではハーフハードも楽に使えます。
使用するワイヤーの太さは用途や石の穴の大きさによります。小さな石を留める場合は26g(0.4mm)から28ga(0.33mm)を使う場合が多いです。

細いワイヤーでめがね留めのリング部分を割合に大きくする場合は、ハーフハードが良いです。


■細いワイヤーは編んだり束ねたりして、太いワイヤーはそのままでも、バングル、指輪他色々なものを製作できます。

■アーティスティックワイヤーに近い硬さのものがほしいときは、デッドソフトです。


●■▲ハーフハードワイヤーに向くデザインと用途 =======================

■カーブをすんなりと描く場合や、ほぼ真っ直ぐな線を描く場合はハーフハードが向いています。

■直線をすんなり描きたい場合はハーフハードです。

■ピアスフックやフープなどを作る場合、ハーフハードそのままではバネは出ませんので形を保てません。
市販のピアスフックと同程度のバネが必要な場合は、ナイロンプライヤーに挟んでしっかり握る、又は金台の上で軽く叩くと硬化してバネが出ます。
ご自身で使われる場合はそんなにシビアーにならなくて良いかもしれません。

■9ピンの製作にも適しています。9ピンをビーズに通して、もう一方を同じループにして、繋げていくような用途に適しています。
この用途で、ネックレス、ブレスレット他パーツ製作にはハーフハードで十分な強度が出ます。

■デザインやワイヤーの太さや組み合わせにより、指輪やバングル他ありとあらゆるものを製作できます。


●■▲フルハードワイヤーの用途 =========================

■フルハードでピアスフックを作る場合は硬化させなくてもご使用に耐える程度のバネが出ます。
必要な場合は、これも、ナイロンプライヤーで軽く挟んでおくと安心です。

■大き目のピアスパーツ、ブレス、ネックレスなどのパーツ、リンクのパーツなどを作っても形が崩れません。

■ピンとした真っ直ぐな線や張りのある曲線を描く場合はフルハードも良いです。
硬いですので、細かな細工などはしにくい場合があります。


■ピンを作るのにも良いワイヤーです。(硬くて張りのあるピンが出来ます。9ピン、先を折リ曲げたピン等)
この用途で、負荷が強く掛かり、金属疲労の来やすいものを作る場合はやや柔らか目のハーフハードの方をお勧めします。

■デザインやワイヤーの太さにもよりますが、指輪、腕輪などの他、シャープな線を生かしたパーツ製作にも。


●■▲ツイストワイヤーを作る場合 =======================

■スクエアーワイヤーでツイストワイヤーを作る場合は、通常デッドソフトワイヤーを使用します。
ラウンドワイヤーでツイストワイヤーを作ることも出来ます。

ピンバイスを使う方法をご紹介します。作り方は(ワイヤーラウンダーの商品ページをご参照ください)
ねじっていくうちにワイヤーは硬くなります。


■磨き(摩擦)による硬化
ワイヤーは擦ると硬化します。
デッドソフトワイヤーはTシャツ等の布に挟んで軽く拭くと少し腰が出て使いやすくなります。使いやすさを見ながらお好みで加減してください。


◎極細いワイヤーを長尺のままぐるぐる長い距離を巻いて使用する場合は、その工程で硬くなりますのでしないほうが良いです。


■ハンマリングによる硬化とテクスチャーについて

一定以上の太さのワイヤーの場合は、金台や芯金の上でハンマーや木槌で適度に打つことにより硬化させることが出来ます。(もちろん細いワイヤーでも出来ますが切れやすくなります)ハンマーの跡がつくことを避けたい場合はプラスティック製のハンマーもあります。


GFの太いワイヤーで円い指輪を作る場合、14ga(1.6mm)12ga(2mm)の太さですと綺麗に形作るために、デッドソフトワイヤーを使用すると綺麗な円を作りやすいです。

この太さですとそのままでも大丈夫ですが、リング棒にさして木槌やハンマーで軽くたたくとハードニングされます。
叩くと多少サイズが大きくなる場合がありますが、その場合最初から半サイズ位小さめに作ったりします。

腕輪の場合も同じようにハンマリングして、硬化させる場合があります。(デザインによります)

***アルゲンティウムシルバーでは、なましをする場合は、太いワイヤーのハーフハードでも指輪を作ることが容易です。


○槌目などのテスクチャーが綺麗に付き易いワイヤーは、デッドソフトワイヤーです。槌で打つことにより硬化します。

○リングも腕輪も、丸い頭のハンマー等で軽くたたくと、槌目が付き、デザインとすることが出来ます。(色んなテクスチャーを付けるための槌もあります)


***テクスチャーを付けてワイヤーが伸びる又は表面積が大きくなるということは、金の層も比例して薄くなりますので、程度については考慮する必要があります。(GFの場合)

GFの場合、表面を削ってテクスチャーをつけることは基本は出来ません。<表面を"削って"テクスチャーを付ける場合は多分地金が出る場合が多いと思います>


◎アルゲンティウムシルバーの場合は、芯まで同じシルバーですので、
程度を考えることなくテクスチャーをつけたり、表面を削ったり、薄く延ばしたりすることも出来ます。
ただし、打つことにより硬化しますので、そのことを考慮して作業順序を決めます。

硬化した場合は、彫金の際行うように「なます」ことが出来ます。(「なまし」とはバーナーで火を軽く当てて柔らかくすることです)(アルゲンティウムの場合)(***GFも「なます」ことが出来ますが、熱くし過ぎないようにします。慣れなければ難しい場合があるかもしれません。)

○アルゲンティウムシルバーのなましは、通常のシルバー925より低い温度です。真っ赤にするのは、温度が高すぎます。
また、火をあてて赤いうちにすぐ水に漬ける等の急冷をするとひびが入ります。ちょっと間をおきます。


■使用用途とワイヤーの太さと金層の厚みについて(GFの場合)

GFワイヤーに関して言うと、ワイヤーが太いほど金の層は厚くなります。ワイヤーが細くなるに従い金層は比例して薄くなります。
総重量の5%が金層ですので計算してみるとわかります。

ですので、非常にこすれる用途に使用される場合は、ワイヤーは太いほうが良いことになります。
しかしながら、極細のワイヤーは指輪のシャンクなどには使われませんので、通常問題は起こらないと思います。
デザインを優先される場合は、そのことは念頭に入れておいた方が良いと思います。


■金属疲労について
 
はじめから硬いフルハードは柔らかなワイヤーより金属疲労を起こしやすくなります。
製作の際同じ箇所で曲げたり伸ばしたりを繰り返すと折れやすいのはフルハードです。一度で決められるように慎重に作業しましょう。


***当店で取り扱うすべてのゴールドフィルドワイヤーは、14k/20ゴールドフィルドの品質基準を満たしています。

***当店で扱うすべてのゴールドフィルドワイヤーは、ニッケルフリーであり、欧州の規制EN1811に準拠しています。




14Kgf ワイヤー販売のページはこちらから。
アルゲンティウム930シルバー ワイヤー販売はこちらから。